カテゴリ

PageNavigation 2.0

Designed by 石津 花

お慕いしております(●´ω`●)

✿✿✿ ✿✿✿         ✿✿✿

リンク

ようこそ♪

プロフィール

みぃ

Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
愛してます。(主に副長を♡)

QRコード

QR

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
                        web拍手 by FC2

桜色の君 想う 【十】


【土方 歳三/夫婦】




 平助がちづるの顔を見る事が出来たのは
 葬儀の準備もすっかり終えてからだった。
「土方さん…… ちづるを綺麗にしてやりましょう」
 斎藤のその言葉にやっと土方が反応して 
 自分の腕の中からちづるを褥に横たえたのだ。

 死化粧は君菊が施していた。
 その隣で泣きはらし 尚溢れるものを止められない千姫が
 頭巾を被り 尼の様な出立でその様子を見守っている。

 ちづるは艶やかな以前の黒髪になっていた。
 だが隙間からは白髪が覗く。

「アレが千姫の?」
 平助が問うと「ああ」と斎藤が答えた。
「自分の頭を丸めて ちづるの為に作った鬘だそうだ」

『何もしてあげられなかったから…… 』
 千姫は言いながら土方に渡した。

 以前 土方が風間を訪ねる為に 斎藤に居所を聞かれた時
 千姫はちづるの身に起こった事を初めて知った。
 悪夢のような内容に言葉も失ったが その時に思いついたのだと言う。
『この髪をちづるちゃんに…… 』

 千姫は 風間にちづるの事を知らせようとしたのだが
 鬘職人との打ち合わせに時間がかかり
 風間の所へは土方に先を越された形になった。
 尼の様になった姿に その日会った風間の反応は予想以上だったが
 千姫は然して相手にせず『髪なんかまた伸びるし』と言い放った。



 黒髪にほんのり桜色の頬と紅の唇。
 こうして可愛らしい寝顔をずっと眺めていたのは いつの事だったか。
 しかし今度は その眠りからは二度と 
 彼女は目醒める事は無いと思い知る土方の視線は虚ろだった。
 斎藤と平助の後ろから 目を腫らした新八が呟く。
「俺 あんな土方さん初めて見たよ」
「それほどの女だったのだろう」
 同意するように斎藤が答える。
「確かになぁ…… 左之は間に合いそうにねぇな…… 」
「ああ…… 」
「なぁ 風間にはいいのか?」
 新八と斎藤の会話に平助が入って来る。
「あいつの事だ もう知っているやもしれん」
 斎藤が答えると「ん…… そうかもな」と目線を伏せた。

 それきり三人は黙り 同時に目の前の夫婦を眺めた。


 


―【十一】へ ―



関連記事
                        web拍手 by FC2

<< 桜色の君 想う 【十一】 | ホーム | 桜色の君 想う 【九】 >>


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。