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みぃ

Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
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桜色の君 想う 【九】


【土方 歳三/夫婦】




 突然目の前に現れ そして突然去って行った女。


 ちづるの顔は まるで眠っているかのように穏やかで
 その様が唯一 土方を狂わせなかった。

 腕の中のちづるの髪をもう一方の手で撫でる。
 次いで酷く痩せてしまった頬に触れた。
 本人の意思では もう答えてはくれない体を強く抱き締める。
 愛おしんで その白髪に己の顔を埋めた。

「ちづるが逝った」
 襖の向こうの斎藤へ聞かせた言葉なのか 否か。 
 土方は独り言のように呟いた。
 斎藤もまた 辛うじて残る西日で頬に流れる物を光らせていた。





 気がつけば緋色の夕焼けから 漆黒の暗闇の中に土方はいた。
 それは彼だけの景色だった。 
 辺りは騒がしいのに その意味も分からず何の色も感じない。
 涙は役目を終えたように その瞳からは流れるのを止めた。

 葬儀の準備で忙しく動いていた斎藤が 足を止め土方を見る。
 その斎藤を平助が見ていた。

 逃げるように外へ出た後
 心を落ち付け覚悟を決めて 平助は土方の家へ戻った。 が……
 そこに居た斎藤の顔を見て平助は何もかも悟り そして後悔する。
 言葉も交わさず 怖々とちづるがいた部屋へ向かった。
 そこには 屍となった女を 
 誰にも触らせやしないというように 殺気だった男が抱き守っていた。
 まるで……
 戦の真っただ中にいるのではと錯覚するほどに。

 平助はその部屋に一歩も踏み入れる事が出来なかった。






―【十】へ ―



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