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みぃ

Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
愛してます。(主に副長を♡)

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この恋 永久保存 


【土方 歳三/SSL】ちづるside 「拾われた恋」その後の出来事





「今だけ てめえが"先生"だってのを忘れっから
 お前が俺に言いたい事…… 今なら聞いてやる」

 一ヶ月前のあの日。
 土方先生はそう言いながら私を抱きしめてくれた。
 夢を見ているんだと思った。
 その場所はもう他の人のものだと思っていたし
 何よりすごく"先生"の土方先生が
 生徒の私を受け入れる筈が無かったから。

 でも 
 窮屈なまでに締めつける腕の強さは本物で
 それまで ほわんと感じる程度だった大人の匂いが
 少しきつ目に香るくらい近くで その苦さに
 本当に土方先生に抱きしめられているんだと知った。
 信じられないくらい嬉しかったけど
 まだ自分は夢の中にいるような気がしていた。

 だから
 土方先生用に設定してある着信音が鳴る度に
 一瞬で身体が固まってしまう。
 緊張のあまり 間違えて切ってしまった事幾度。
 先生は笑ってくれたけど…… 
 正直 思ってもみなかった展開に戸惑ってる私がいる。

 

 少し明るめのモスグリーンのカーテン。
 ループパイルのカーペットは調和を選ばないベージュ。
 中央に横に長い木目調の座卓があるのだが
 良く見ると 引き出しが4杯付いている文机で
 その上には何か書類のような物と 大き目の封筒と一緒に
 色違いのファイルが数個右端に寄せられている。
 目線を移すと 何年も主に載られて来たと思われる
 年季の入った座布団が下に敷かれていた。
 見慣れないこの部屋の隅っこで 私は正座で待機している。


「なるべく早く帰っから…… 」
 それはごく普通の鍵だった。
 でも最初何を渡されたのか分からなかった。
 その形が"鍵"だと言う認識はちゃんとあったのに
 先生が住むアパートのだと分かった途端 私の思考回路は飛んだ。
 瞬きもせず 無言で立ち尽くす私の様子を
 始めは面白そうに眺めていた土方先生だったけど 
 どうしていいか分からず 困惑している私に気付いたのだろう
「ん…… せっかちだったか」
 苦く微笑んで 鍵を取り戻そうと手を伸ばしてきた。
 
 
 壁にある時計の秒針の音が部屋に響いて聞こえる。
 土方先生の部屋に来てから1時間もすると 気持ちも少し落ち着いて
 待つ間 問題集のページを進める事にした。
 残り一問を解け掛けた時 携帯が"土方先生の音"を鳴らしたから
 思わずシャーペンを持つ手に力が入って芯が折れた。
 また間違えて切らないよう ひと呼吸してからボタンを押した。
「俺…… 開けてくれるか?」
 てっきり帰りがもう少し遅くなる連絡だと思ってたから
 今ドアの前に土方先生が来ていると分かると 返事をするのも忘れて
 慌てて玄関へと走り出した。が 足が縺れて転んだ。
「ちづる!? おいっ どうした!?」
 短い悲鳴とぶつかった鈍い音が ドアの向こう迄聞こえたみたいで
 心配そうな いつもより高めの声が届く。
「お お帰りなさい…… 」
 ドジを晒した恥ずかしさと 出迎えた照れ臭さで顔が上げらなかった。
「ったく…… 大丈夫か?」 
 呆れたような言葉を呟きながらも 土方先生は私の頭を撫でてくれた。

 文机の上に 持って帰って来たノートパソコンを置くのを見て
 真ん中の空いたスペースはその場所なのかと納得した後
 預かったアパートの鍵を思い出し 忘れない内にと先生へ返す。
「このままお前に渡しちまってもいいんだが これしか無くてな
 合鍵作るまで待っててくれ」
 とんでもない事を言われた気がして 頭の中で反復した。 
「……いらねえか?」
 問い掛けられて やっと聞き違いでは無いと分かって
 クラクラするくらい頭を左右に振って意思を伝えた。
「おい それじゃ首が痛くなるじゃねえか」
 小さく笑いながら両手で頬を挟み止められる。
「え? あ…… 」
 綺麗な紫紺の瞳と目線が合って 鼓動が跳ね返る。
 頬の火照りが 押さえている先生の手にも伝わってしまうのだろうか。
「ちづる…… 」
 土方先生はさっきよりもっと顔を近づけて来た。
 求めていると無言で瞳に訴えられて
 もう恥ずかしいくらいじゃ 逃げられないと思った。
「(ちゅっ)んぅ…… 」
「そんなに震えられたら壊しちまいそうで恐えよ…… 」
 お付き合いし始めて知る意外な発見。
 "触れたがり"屋さんな土方先生。
 校内でもふたりきりの時は指を絡めて来たり 抱きしめたりするから
 私はその度あたふたしてしまう。
 あと…… キスも好きみたい。でも私の事を気遣ってか唇は避けてて。
 嫌なんかじゃ無いのに。
 ただ初めてだからどうしていいのか分からないだけ。
「あんんっ(くちゅっちゅっ) はぁぁ」
 緊張で引き結んだ唇が 舌先で擽られて緩んだ途端
 先生は少し強引に私に入って来る。
 難無く舌の奥に滑り込ませて 絡めると吸い上げた。
 逃げたいくらい恥ずかしかったけど それ以上に嬉しくて
 されるがままに預けた。そして熱に浮かされたのか
 いつの間にか 躊躇いながらも自分から先生を求めていた。
「んぁ…… ちづ(ぺちゃっ ちゅっちゅっ)」
 上手く出来てるのか自信は全然無かったけど 土方先生の様子が
 呼吸が荒くなって 舌も激しく私の中で縦横無尽に動かすから
 感じてくれてるのかなって思った。
 息も出来ない 大人のキスを土方先生が教えてくれた。

 もう頭の中は真っ白で 全身の力を吸い取られたみたいになって
 とても立っていられずに先生の上着の袖を鷲掴んだ。
「っと しつこかったな」
 土方先生は我に返ったかのように放れ 私をカーペットに座らせて
 自分もその前に胡坐を掻いた。
 心地いい苦しさにあんなに満たされたのに 途端に淋しくなる。
 また首を横に振ってスカートを握り締めて俯いた。
「今日ホワイトデーってやつだろ? だからお前に何か遣りたかったんだが」
 上着の中から何かを取り出して
「店が開いてる時間に仕事が終わらなくてな さっきコンビニに寄って
 すまねえ…… こんな物しか用意出来なくてよ」
 私の目の前に差し出してきたのは 水色のレースのリボンで結ばれた
 クッキーとハンカチが一緒に入ったギフトバッグ。
「あ ありがとうございます
 先生がご自分で買いに行ってくださったんですか?」
 あの土方先生が最終手段とは言え コンビニのレジでどんな顔して
 買い物したのかと思うと 胸が込み上げて来る。
「こんなんで済まそうとは思ってねえから 何でも欲しい物言ってみろ
 ただ直ぐってのは難しいんだが…… 」
 いつも忙しい土方先生だけど 今迄の時期は特にそうだった筈。
 そんな中自分の事を考えて貰えるだけで 他に何もいらない。けれど……
「なら…… "先生"を…… 私にくださいっ」
「あ? 俺?」
 一瞬訳が分からないと言う珍しい表情が見られた。
「そ そうです」
「くださいって……  あぁ~ お前の事だから他意は無えと思うが
 そりゃあなちづる 少しばかり誤解を生むぞ?」
 私だからそう言われるのは仕方ないけど 
「ごっ 誤解なんかじゃありませんっ そのままの意味ですっ」
 学校説明会で初めて先生を見た日から ずっと片想いしてた。
 いくら好きでも恋人になんて絶対なれやしないと思ってたから
 こうして先生に受け入れて貰えて 私はもっと欲張りになっていた。
「ふっ キスだけであんなに震えてたお前に出来る訳ねえだろっ」
 今度は意地悪そうに眉を上げる 見慣れた顔。
 そうかもしれない。
 本音を言えば怖いし 本当に覚悟が出来ているのかも実は分からない。
 でもこの恋は長く続かないかもしれないと思ったら堪らなかった。
「バレンタインのお返し……
 たっぷり返してやるって言ってくださいましたっ」
 だから取り戻そうと伸ばされた手から
 先生のアパートの鍵を"守った"。
「確かに半分は本気で言ったけどよ 意味分かってたのかお前」
「私が欲しいのは"土方先生"だけですっ」
 あからさまな子供扱いにも負ける気は無いっ。
「ちづる…… それは止めとけ」
「どっ どうしてダメなんですか!?」
 溜め息と共に下げられた眉は 生徒を諭す教師のものだった。
「俺達はまだ始まったばかりだが この先も制限の掛かった付き合いに
 段々窮屈に感じて 若いお前には耐えられなくなるかもしれねえだろ?
 現に この一週間は碌に話しも出来なかったよな
 それに後になって 俺よりもっと好きな奴が現れたりしたら」
「そっ そんな覚悟も無くて先生の事好きになったりしませんっ」
 心外。
 一回り以上歳が離れた人の傍にいるのに 軟な気持ちな訳が無い。
 況してやその人は教師で 教頭で あの土方先生なのだから。
「おっ おぉ…… 」
 さっきまで視線を合わす事も恥ずかしかったのに
 鼻先同士が付く程迫ったから 先生も私に圧倒されたようだった。
「……卒業の日に 先生に想いを伝えたいって思ってたんです
 卒業してしまう私だから 土方先生も気まずくならないと思って」
 振られてももう学校には来なくていいから。我ながら姑息な考え。
「それは 告白する前から俺がお前を振るって言う前提なのか?」
「だって先生が 私なんかを受け入れてくださるなんて思わないから…… 
 でも…… そんな気持ちでいたんですね」
「あ?」
「私って簡単に手放せる存在なんでしょ?」
 私に好きな人が出来たら身を引くだなんて聞きたくなかった。
「いやっ そう言う訳じゃねえんだが」
「私は土方先生から離れません でも先生が私を嫌になったのなら
 直ぐ言ってください お別れする覚悟も持ってますから…… 」
 そう。私の方が土方先生に振られる可能性が高いと思う。
 付き合う事で少なからずお仕事に影響して 私の事は重荷になる筈。
「なんだ お前だって俺から離れるんじゃねえか」
「本当はそんな事したくないですっ
 でもしつこくして嫌われたくないから…… 」
 その時にはもう疎まれているんだろうけど。
 やだ。想像しただけで悲しくなって来る。
「分かってんじゃねえか つまりは俺もそう言う事だ」
「え…… 」
 先生はおでこを合わせて来て 私の瞳を覗き込んで続ける。 
「こんなにお互い想い合ってんだ 別れるなんて有り得ねえだろ?」
「永久に?」
 言葉は形が無くて不安定なものだけど 今はそれにすら縋り付きたい。
「ああ永久にだ…… 安心したか?ちづる(ちゅっ)」
 先生はおでこから離れて 軽く私の唇に触れた。
「んんっ はい…… でも今日は"大人"も忘れてくださいっ」
「おおっ!?」
 廊下で見掛けても声を掛けずに 一週間大人しく我慢してた。
 だから沢山先生に触れて欲しかったし 触れたかったから
 私は先生に抱きついてカーペットに押し倒した。
「ったく どうなっても知らねえからな」
 漆黒の髪を広げた土方先生は 色っぽくて見惚れてしまう。
「は はい」
「そうだな じゃあ取り敢えず準備として一緒に風呂に入るぞ!」
「え」
 言われた意味が分からずに首を傾げる私を
 先生はお構いなしに腕に抱き その場に持ち上げた。
「ひゃっ!?」
「『え』 じゃねえよ このまま風呂場に行くぞっ」
「え? えっ ええぇぇぇぇぇ!!! ちょっ」
 お風呂!? 土方先生と一緒に!? それって裸になるの!?
「"大人"を忘れていいんだよな?」
「うっ」
 そんなっ 明るいのと暗いのとじゃ全然違うっ。
「お前が意外に乗り気で良かったぜ 卒業する迄はと思ったが
 我慢しなくていいんだな 言っとくが俺はすげえぞ?」
「へ? あのっ 何がで…… 」
 眩暈を起こしそうに眩しいくらいの頬笑みが今はただ怖い。 
「ちづる お前はホントに可愛いよ♥(ちゅちゅちゅっ)」
「ふんんっ んぅっ ((((えー!? うそでしょー!?))))」


                 



いやぁー 止めてくださいっ 土方先生!!
観念しやがれ!





― END ―


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