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みぃ

Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
愛してます。(主に副長を♡)

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ちぇりぃ★はぁと【19】


連載【土方 歳三/転生SSL】「桜色の君 想う」転生編
お願い:初めての方はちぇりぃ★はぁと【はじめに】を一読してください。



 パタンと音をさせ引き戸が閉まると、ちづるの隣で長いため息が漏れる。
「顔がそっくりだとは思ったが、まさか斎藤"本人"だったとはなぁ」
 土方は未だに信じられない風で、保健室の引き戸を眺めている。
「私は沖田さんに助けられた時、この学生さんは"沖田さん"だとわかりました」
 悪ふざけを超えた男子生徒たちを保健室から追い払ってくれた沖田。ちづるは抱きしめ
 られた時に彼の纏う空気が、学園に入学してから時折感じた気配と同じものだと気づき、
 沖田が守ってくれていたと知り涙が止まらなかった。
「助けられたって何があったんだ!?」
「実際助けられたのは"この子"ですけど。あの日のことは長くなるので今は…… 」
 経緯を話すとなると、学生のちづるの感情部分に触れなければならない。土方がそれを
 聞けば、同時に彼の中に押し込められている教師の土方にも知られてしまうことになる。
 先程から身体に震えが伝わって来る。秘密を露見されるかもしれないと怯えているのだ
 ろう。ちづるは自分の中の少女を想って答えを濁した。
「おまえを総司に守らせていたと斎藤は言ってたな。その辺の説明はあとでしてくれるよう
 だが」
「あの、歳三さん。私たちがこうして遭えたのは斎藤さんのお蔭だと仰っていましたけど、
 あれって…… 」
 別れの時に後世での再会を約束した二人。巡り巡ってこの平成という時代に漸くお互い
 の魂が呼び合ったのだと喜んだちづるは、実際には斎藤の働きがあったと聞いて大層
 驚いたが、これまで"学生の斎藤"と深く関わった覚えがなかった彼女がそれを不思議に
 思うのは無理もないことだった。
「あ~それはな、俺が頼んだからだ」 
「頼んだ?」
 土方が窓際にあるベッドに腰を下ろしたあと、無言で空いている隣をポンポンと叩く。その
 仕草を「ここに来い」と解釈したちづるが座ったのを見て彼は口を開く。
「おまえが逝ったあと、俺は少しおかしくなったみてえでな…… 」
 ちづるを看取った土方は、その後の記憶があやふやだった。葬儀の最中も悪い夢を見て
 いるんだと思っていた。食事を出されても食べることに意味がない気がして箸を付けず、
 今は朝なのか夜なのか考えもせず、起きているのか眠っているのかもわからなかった。
 そんな憔悴しきった土方を支えていたのが斎藤だった。無口な彼は一見ぼんやりとした
 男に思われがちだが余計な口出しをしないだけで、任務に関しては万事そつなくこなす
 有能な隊士だった。その斎藤がちづるの葬儀を取り仕切り、その後も折りに触れ土方の
 もとを訪れては彼の回復に尽くした。四十九日を迎えた朝も、土方と共に斎藤は墓地に
 来ていた。やっと自分を取り戻した土方がちづるの"遺言"を叶える為に、その日斎藤に
 "再会"の手伝いを頼んだのは、彼が最愛の妻の死を受け入れたという証でもあった。
「思い起こせば、昔から歳三さんは斎藤さんを頼りにしていましたね」
「面目ねえ話だがあん時は冗談半分だった。当事者の俺たちはともかく、第三者の斎藤が
 関わることはできねえだろうと思ったし、生まれ変わりにしたって前世の記憶を持ったまま
 でとか、作り物の昔話ですら聞いたことがなかったしな」
 言い訳と受け取られても仕方がないと土方は覚悟して正直に話した。
「それでも私は本気でした」
 例え記憶が残っていなくとも、もう一度土方と出逢いたい。お互い必ず思い出せるから。
 最期の日、ちづるは命の灯が消える瞬間までそう願った。
「俺もだ。ありがてえことに当時の記憶を持って生まれ変わった。お蔭でいつの時代でも、
 おまえを捜し続けることができた。おまえもだろ?」
 自分を覗き込む土方に、ちづるは深く頷いてから「歳三さん」と呼んで顔を上げる。
「あなたは優しいから触れずにいてくださいますが、やはりちゃんと言わせてください」
 まっすぐ向けられる彼女の瞳から緊張を感じ取って土方は察知した。
「……昔のことを振り返る必要なんかねえって」
「いいえっ、もう悔いが残るのは嫌なんです。どうか…… どうか、お願いします」
 胸に縋って懇願するちづるに、土方は諦めの息を吐いて背けた顔を元に戻した。
「あの時…… 歳三さんは私に気づいたんですね」
「……ああ、おまえが早足で庭へ入るのを見た」
 問い掛けと答えが合わさり、互いがあの日のことを指していると確認できた。

抜けるような青空を覚えている――

 ちづるは家でゆっくりしていた夫の土方が燐家先の道端にいるのを見つけた。微動だに
 しない後姿を不思議に思い声を掛けようとした時、その光景が視界に入って息をのんだ。
 土方の視線の先には竹刀を振る少年と、その傍らで稽古をつける父親。明るい陽の下に
 いたはずのちづるは一瞬で真っ暗な闇に覆われた気がして、あまりの恐怖に脱兎の如く
 屋敷地へと逃げた。
 一滴の墨液が水面に落ちたかのように、その日から彼女の純真な心の中でじわりじわり
 と闇が広がっていった。

「私が弱かった、それだけのことだったんです」 
 ほかの誰の責任でもない、自分で蒔いた種。ちづるはずっとそう思ってきた。
「そうか…… で、済ませられるわけねえだろ」
 土方の低い声は静かなもので、それが却って怒りを覚えるほどだった。
「歳三さんが気に病むことは何ひとつ」
「ない、って言い切れるのか?」
 鋭く見つめる眼差しが揺れていて、ちづるは土方の苦悩を感じ取った。
「はい。元々私がひとりで思い悩んでしまっただけですから」

 ちづるが自身の素生を知ったのは、行方不明の父親捜しがきっかけだった。京で仕事を
 する父親からの連絡が途絶え不安な日々を送っていたちづるは、意を決し男装で江戸を
 離れ入京した晩に、ある組織に捕らわれることになる。隊名を新選組といい、京都守護職
 の松平容保から不逞浪士の取り締まりと市中警備を任されていて、そこで土方は副長を
 務めていた。後にちづるが、新選組と深い関わりがあった蘭方医の雪村綱道の娘と判明
 すると、同じく綱道の行方を捜していた土方たちは共通の目的から、彼女の面倒を担うと
 決めた。以降隊士たちと共に生活を過ごしていたちづるは同胞と出逢ったことで、自分が
 人ではないと知って愕然とする。

「"鬼"は元々子供が授かりにくいとお千ちゃん…… 千姫様が教えてくれました」
 それでも種族が絶えなかったのは、殆どの夫婦が人より遙かに長い青年期の間に子を
 授かることができたからだった。故に寿命も人の比ではない。
『でも土方さんは人間なんだから当てはめずに、ゆったりとした気持ちでいればいいのよ』
 最愛の夫の土方は人間で、その妻の自分は鬼。毎日が幸せすぎてそれまで忘れていた
 事実を、ちづるは千姫からの励ましの言葉で思い出した。
「ちづる?」
「な、何でもありません」
 急にちづるがぐるりと背を向けるのを不可解に思った土方が背後から覗くと、彼女は顔を
 隠したいのか背中を丸めて身を縮める。だが必死の抵抗も空しく抱き上げられてしまう。
「まともに頭が回るようになってから考えてみたんだが…… 」
 観念して濡れた頬をシャツに押し付けるちづるを腕の中に収めて土方は続ける。
「おまえと暮らした日々を振り返ってみて…… 一度もなかったなって」
 自分を見上げる瞳に問い掛けられて、土方は優しく微笑んだ。
「寂しいと感じたことは一度もなかった」
 ちづるの大きな目が更に見開いて固まる。
「毎日が穏やかで、隣でちづるが笑ってる。俺にはそれが充分すぎるほどの幸せで、何か
 が足りねえとか思ったことはなかった。けど、俺はおまえに甘えていたんだろう。気持ちを
 察してやれずに苦しめた。すまなかった」
 土方はそう言って、泣きながら首を振るちづるを思いきり抱きしめた。
「もうこの話は仕舞いだ。昔悲しませた分、これからはおまえをちゃんと幸せにする」
「歳三さんっ、私は」
 言い掛けたちづるの唇が指で押さえられた。目前の土方は刺すような視線で保健室の
 出入り口を見つめていて、不穏な空気を感じ取ったちづるはじっと息を潜めた。
 




―【20】へ―




こんなのですが(汗)、今年もよろしくお願い致します。ペコリ

未だにガラケー(汗)使いの自分はブログ記事をPCで更新しているんですけど、スマホで
ご覧の方は文章の改行がズレたり?などで読み難かったりしますかね?(;´ω`)ゞ

とうらぶが熱いですね!プレイ中の妹が「土方さんの愛刀がいるよ!」と誘惑してくるけど
勿論やりたいよ!でもそれやっちゃうと益々二次小説書く時間がなくなっちゃうんだよ(泣)。
なので今は絵師様方の作品で、はぁはぁさせていただいてます。(〃´Д`〃)シアワセ❤
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