カテゴリ

PageNavigation 2.0

Designed by 石津 花

お慕いしております(●´ω`●)

✿✿✿ ✿✿✿         ✿✿✿

リンク

ようこそ♪

プロフィール

みぃ

Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
愛してます。(主に副長を♡)

QRコード

QR

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
                        web拍手 by FC2

ヒジカタクロース


【土方 歳三/SSL】


 お風呂を済ませて自分の部屋に戻った私は
 机の上にあるリボンの掛かった小箱を手にしてベッドに寝そべる。 
「ふふっ 明日楽しみだなぁ」
 まだ冬休みに入る前 クリスマスパーティをしようって話になって
 予定を訊いて回ったら25日に決まった。会場はどこにするか迷ったけど
 学園長の近藤先生が教室を使ってもいいと言ってくださった。
 皆と交換しあうプレゼントもこうして用意できたし もしかしたら……
 学校で土方先生に会えるかもしれない。
 ああ~ ホント楽しみすぎて今夜は眠れないかも!
 私は興奮のあまりベッドの上でごろごろと転がっていると
 暖かい部屋にスーッと冷たい空気が入り込んだ。
 
「よっと!」

 突然窓のほうから声がして目を向けると 白い袋のような物が床に落ちた。
 何? と思う間もなく今度は黒いブーツを履いた足が入ってきて
「夜分に邪魔するぜぇ」
 そう言いながら上げた顔は
「……………… え  え? えええ!? ひっ 土方先生っ!?」 
 信じられないことだけど 目の前に立っているのは土方先生だった。
 でもいつもの黒いスーツ姿じゃなくて それって……
「あ? 確かに俺はヒジカタだが"先生"じゃねえ "ヒジカタクロース"だ」
「ヒジカタ…… クロース???」
 白いポンポンの付いた赤い帽子 同じ色の服に黒のベルト。
 さっきの白い袋を手に持った姿は 紛れもなくサンタさんスタイルだ。
 とは言え艶やかな黒髪と眉間に皺を寄せる顔も ぶっきらぼうな口調の声も
 土方先生そのままなんですけど!? 
「えっとぉ…… なぜ土方先生が」
「ヒジカタクロースだっつってんだろっ」
「すっ すみません! なぜヒジカタクロースさんが私のうちに?」
「そりゃ今日がクリスマス・イヴだからに決まってんだろ
 よい子にはプレゼントが貰えるのを おまえ知らねえのか?」
 私の場合 サンタさんの正体は小学2年生の時に知った。
 そんなにショックは受けず そうだったんだ~程度の反応だった。
 なのに今更本物のサンタさん(?)が来るなんてびっくり。
 よく考えたら 夜中に男の人が窓から侵入してきたのだから
 悲鳴を上げて親に助けを求めるべきなのに 外見が土方先生というだけで
 私はそんなこともすっかり忘れていた。
「で? おまえの欲しいモンは何だ?」
「へ? そんな急に言われても」
「ないのか? 調査の結果報告では"彼氏"を欲しがっていると聞いたが?」
「そっ そんなの誰に聞いたんですか!?」
 高校生になると周りにカップルが増えて 幸せそうで羨ましいなぁと思うけど
 クリスマスプレゼントとして彼氏が欲しいだなんて考えたこともないのに!
「ウチの組織には調査班が設けられていて 中でもヤマザーキという奴が優秀でな」
「組織!? 調査班!? ヤマザーキ!?」
「これじゃないとプレゼントにクレームをつけられて二度手間になるのを避ける為だ
 イヴの日はクソ忙しいからな というわけで適当に見繕ってきた」
 サンタ…… じゃなくてヒジカタクロースさんはそう言うと
 持ってきた大きな袋に手を入れてごそごそと中を探し始めた。
「あったぞ!」
 目当ての物が見つかったみたいでそれを引っ張りだす。
「初心者向け彼氏 "TD・ヘイスケ"だ!」
「え?」
 ドンと差し出されたのは 幼馴染でもあり同じ学園に通う平助君だった。
「わわわわ!? 何で平助君が!?」
「おまえがこのタイプを知ってるなら話は早い どうだ? お互い恋愛経験がない
 何もかも初めての初々しいつきあいができるぞ 優しいし気遣ってくれるし
 ただな このタイプは一生懸命なあまり暴走する時があっから 女のほうが
 その分しっかりしなくちゃと思うらしい 年上に人気なのが不思議だったんだが
 そんな性格と幼い外見で母性本能を擽られるのかもしれねえな」
「私 平助君より1コ下なんですけど」
「そうか駄目か なら…… 」
 困った顔の私を見たヒジカタクロースさんは平助君を袋に戻して
「こいつはどうだ?」と また何か取りだした。
「お 沖田…… 先輩…… 」 
 茶髪に意地悪そうな目と半笑いの口元 そして手にはスマホ。
「"OT・ソウジ" こいつは異常に女に人気があっていつも在庫が品薄でな
 今年もどうにか1体だけ確保したやつだ この通り見て呉れはいいし
 女の扱いもまあまあ慣れてるから一緒に遊ぶには楽しいと思うぜ
 だが本音を言えば勧めたくはねえ はっきり言ってこいつは性格が悪い!
 おまえみたいに真面目なタイプは振り回されるのが目に見えてる」
「もう充分振り回されてるのでこれ以上は遠慮します…… 」
 私は涙目になり げんなりとうなだれた。
「まあ元々こいつは初心者向けじゃねえしな 任せろ とっておきのがある!」
 自信満々な様子に 何となく予感がして見事に的中した。 
「性格は"超"が付くほど真面目! 機転が利いて頭もいい! にも拘らず運動神経も
 ずば抜けてる OT・ソウジの次に人気があるクールな男 その名も"ST・ハジメ"!」
 ヒジカタクロースさんのお気に入りなのか 満面の笑みで紹介されたけど。 
「ST・ハジメさんは"超"が付くほど頑固者で 女の子に全く免疫がないですよね?」
「なぜそれを!? 確かにST・ハジメは女と手が触れただけで赤面するピュアボーイだ
 かと思えば一途過ぎるあまり欲望…… いや心のままに突進して自滅する時もあるが
 だがそこがいいという女があとを絶たないのも事実だぞ」
「斎藤先輩のことは心から尊敬しています でも恋愛感情はないんです」
 私は頭を下げて 袋に戻される斎藤先輩を見送った。
「そんならしょうがねえな そもそもおまえはどんなのが好みなんだ?」
「え!? わ 私…… 割と そのぉ 結構年上の方のほうが…… 」
「そうか やっぱり大人の度量でリードしてもらいたいんだな よし!」
 なんかちょっと違う方向に思われてる感がひしひしと……
「女のことならなんでも御座れ! 女よりも女の気持ちがわかって痒い所に手が届く
 純真な乙女から それなりに数をこなしてきた熟女まで安心してお任せください!
 最終兵器"HD・サノスケ"! どうだっ もってけ泥棒!!」
 やっぱり。ていうか原田先生には彼女さんいるし。
「HD・サノスケじゃレベル高過ぎか? そうだな赤い髪の毛は派手だしな
 じゃあ金髪も駄目か? 一体あるんだが…… 」
「金髪…… ひゃっ 待って! 袋から出さないでください!」
 ちらりと覗く見慣れた金色の頭を 私は慌ててヒジカタクロースさんの手ごと
 袋の中に押し込んだ。ふぅ…… 危機一髪助かった。
「あ? いいのか? "彼氏"のプレゼントはもうねえぞ」
「これで全部…… 漆黒の髪と綺麗な紫の瞳を持つ彼は入ってないんですね」
 元より自分が願ったプレゼントではなかったのに 実際ないとわかると残念に思う。
「ん~ まだ発売されてないのかもしれねえな」
 それでも責任を感じてか ヒジカタクロースさんは袋の口を広げて探してくれた。
「お仕事に一生懸命で 怖いけど情に厚くて いつも生徒達のことを気に掛けてて
 困った時は手を差し伸べてくれて 頑張ったらさりげなく褒めてくれる…… 」
「それがおまえの欲しい彼氏か」
 土方先生と同じ声でそう言われて目が覚めた。
「はい でも私が間違ってました
 あんな素敵な先生を努力もしないで簡単に手に入れようだなんて……
 そんな気持ちだったから プレゼントの中に入っていなかったのかもしれません
 ヒジカタクロースさんにもごめんなさい せっかく来てくださったのに」
「いや 期待にそえなくてすまなかった 代わりと言っては難だがこれやるよ」
 自分の浅ましさにへこむ私の手を取ってヒジカタクロースさんは何かを乗せる。
「ヘアピン? 桜のカボションが付いててかわいい…… ありがとうございます」
「おまえの髪に似合いそうだ じゃあな!」
「あっ ヒジカタクロースさーん!」
 急いで窓まで走って身を乗りだしてみたけど ヒジカタクロースさんの姿は
 もうどこにも見えなくて ただ真っ暗な夜空に星が瞬いていた。




     ゚・*:.。. ☆゚・*:.。. ☆゚・*:.。. ☆゚+。:.゚🌸🌸🌸゚.:。+゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・




 昨日の夜の不思議な出来事に しばらく眠れないでいた私は寝坊してしまい
 パーティの集合時間に遅れそうで焦っていた。遅れた理由はもうひとつあって
 ヒジカタクロースさんから貰ったヘアピンを探していたから。髪に付けて行こうと
 したのに 確かに置いた筈の机の上になかったのだ。
「どこいっちゃったのかなぁ」
 それともあれはやっぱり夢だった? と思いながら廊下を早足で進んでいた時だった。
「廊下を走るんじゃねえ!」
「ひゃっ!? すっ すみません!」
 厳しい声にピンと背筋が伸びる。あれこの声……
「ヒジカタクロースさん!?」
「あ? 何だって?」
「あわわわっ じゃなくて土方先生っ」
 これじゃ昨日の逆バージョンだと ひとり恥ずかしくなって身を縮める。
「クリスマスパーティに浮かれておかしくなっちまったのかと思ったぜ」
「あっ 教室を使わせていただいてありがとうございます!」
「許可したのは近藤先生だけどな ったく甘えんだからあの人は」
 土方先生としてはやっぱり許可したくなかったのかな。でも最後にはちゃんと制服を
 着て来るのを条件に許してくれた。そんなところが優しいと思う。
「あの…… 土方先生もご一緒しませんか?」
 駄目元で訊いてみる。少しの時間でも同じ空間に居たくて。
「しねえよっ 俺は此処に遊びに来てるわけじゃねえからな」
「そ そうですよね あのじゃあ雰囲気だけでも…… これは甘さ控えめに作ったので」
 密かに先生にと作ったカップケーキ。渡せただけでも嬉しかった。
「おう…… すまねえな
 いいか? パーティだからって羽目外すんじゃねえってバカ共によく言っとけ」
「はい! わかりました 失礼しますっ」
 深々とお辞儀をした後 パーティ会場の教室へ向かおうとして
「そうだ…… 雪村!」
 名前を呼ばれて再び驚きながら振り返る。
「やるよ 覚えがねえんだが家にあった」
「え?」
 先生の手から投げられた物は弧を描いてこちらに飛んできて 私は必死でそれを
 目で追い 両手でパチンと挿むように受けとめた。
「おまえの髪に似合いそうだ」
 微かに微笑んで土方先生は廊下を曲がって行ってしまう。その背中を見送ってから
 私は握り合った手をゆっくりと開いた。
「う そぉ…… 」
 そこにはヒジカタクロースさんがくれたのと同じヘアピンがあった。





― END ―




              ♪☆;:*:;☆“Merry*Christmas”☆;:*:;☆♪

関連記事
                        web拍手 by FC2

<< とこしえに | ホーム | 嘘と真の狭間で - 後編 - >>


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。