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Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
愛してます。(主に副長を♡)

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ちぇりぃ★はぁと【12】


連載【土方 歳三/転生SSL】「桜色の君 想う」転生編
お願い:初めての方はちぇりぃ★はぁと【はじめに】を一読してください。



 思えば授業開始のチャイムは随分前にスピーカーから流れていた。
 グラウンドでサッカーの試合でもしているのか 男子生徒達の叫ぶような声が
 この資料室にまで届く。

 ちづるが意を決して顔を上げると それを待っていたかのように
「授業とっくに始まってるな…… 教室には別々に行ったほうがいいと思う
 一緒だと何言われるかわからねえから…… 俺休み時間になったら行くワ」
 平助はそう言い 撫でていたちづるの頭から手を離した。
 まだ泣き足りないちづるだったが 必死で涙を堰き止めたあと身支度を整え
 徐にスクールバッグを手にして立ち上がり背を向ける。
「ちづる」
 声を掛けられた方へ躊躇いながら視線を向けると 平助の手に携帯電話機があった。
 襲われた時に手放した淡いピンク色のそれを受け取ろうとちづるが手を伸ばすも
 何故か平助は渡さずにじっと携帯を見つめたまま唇を薄く開いた。
「メルアド…… 」
「え?」
 独り言のようにぽつりと口にした言葉にちづるは聞き返す。
「俺の…… 消していいからサ」
「ど どうして? あ…… 平助君は私のメルアド消したいの?」
「そうじゃねえよ! でもお前にこんなことした俺が」
「私は平助君の消したりなんかしないからねっ」 
 そう叫んで 黙ったままの自分から奪うように携帯電話を取り上げたちづるに
 平助は少し驚いた表情を向け 迷うように目を伏せた。
「じゃ…… 行くね?」
 出入り口の戸に触れた時 そっと後ろを振り返る。
 見守るような平助の瞳を凝視できず ちづるは視線を外し廊下へと踏み出した。


 ちづるは別棟から外へ出ると 教室ではなくそのまま自宅へと帰った。
 色々なことが有り過ぎて とても授業など受けらそうもないと思った彼女は
 朝いつも通りに登校した娘が青い顔で戻ってきて驚く母親に体調不良を伝え
 着替えもそこそこにベッドへと潜り込んだ。 
 翌日も学校を休み 何をするでもなく部屋で過ごしていると平助からメールが届いた。
『大丈夫か?』それだけの文面にちづるは泣きそうになる。
 いつもはデコメ素材を使って面白おかしくずらずらと長いメールだが
 この時届いたのは通常のシンプルな画面であり
 それでいて今までで一番 平助の気持ちが感じられたものだった。
『大丈夫だよ ありがとう』ちづるも短く返信して閉じた。
 入浴の後 濡れた髪をタオルで抑えながらちづるは受信BOXを開き
 先程届いた平助のメールをもう一度画面に表示させぼんやり眺めていた。
 ややあって カーテンが開いたままの窓から夜空が目に入る。
 厚い雲に覆われて 月も星も見えない闇夜が自分の心の様だと思う。
 本当にこれでよかったのか。
 自分の気持ちを占める人は誰なのか 自身が分からないでそれを恋と呼ぶのだろうか。
 ちづるは自分に問い掛ける。
『ならどうして平助を受け入れなかった?
 3年の男子たちに襲われそうになって 心の中で助けを求めたのは誰だった?』
「土方 せんせ…… 」
 あの時発せられなかったその名を唇でなぞる。
 まだ何ひとつ 下の名前すら知りもしない教師の存在に
 自分の心が揺さぶられていることにちづるは気づいていない。
 だが土方の名を呟いただけで 同時に起こったこの胸の痣の痛みが
 不思議と今は心地よく感じていた。
「明日は学校行こう」
 そう呟いてちづるは携帯を閉じた。





―【13】へ ―






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