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みぃ

Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
愛してます。(主に副長を♡)

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ちぇりぃ★はぁと【11】


連載【土方 歳三/転生SSL】「桜色の君 想う」転生編
お願い:初めての方はちぇりぃ★はぁと【はじめに】を一読してください。



 一年前の入学式の日。
 ふと視界に飛び込んできた笑顔に目が離せなくなった。 
 一目惚れというより 探し物が漸く見つかった――― そんな感じに似ていた。
 この笑顔をずっと見ていたい 自分が守ってやりたい。
 桜の花弁が舞う中 まるで使命のように思えた。それなのに……

 両腕の拘束が解かれると ちづるはへなりと床に座り込みその身を壁に預けた。
「オレ…… なに を…… 」
 ちづるを放した途端 小刻みに震える自分の手を見つめながら平助は呟いた。
 守りたいと思った彼女を傷つけた。男の力に任せた卑劣な方法で。
「ごっ ごめん! ごめんな!! ちづる…… ごめっ んぐっ」
 あまりの混乱に吐き気を催した彼は 蒼白な顔にある口をその手で押さえる。
 そんな激しく動揺する平助を ちづるは瞬きも忘れてぼんやり眺めていた。
「どう して?」
 弱々しい微かな声が届き 平助は恐る恐るそちらに体勢を向けたものの
 彼は俯いたままでちづるの顔を見る事が出来ない。
「平助くん?」
 ちづるはもう泣いてはいなかった。
 今起こった事が説明のつかない夢のような気がして ただその理由が知りたかった。
「そ れは…… 」
 ちづるの穏やかな口調に促されて 閉ざされていた平助の唇が緩み始める。
「オレはお前が…… ちづるの事が好きだからだよ」
 それが真実だと 平助はまっすぐちづるの瞳を見て打ち明けた。
 だがこんな形で伝えたくなかったと 直様ばつが悪そうに目を伏せてしまう。
「あっ あの…… 」
 突然の告白にちづるは驚いて一気に現実に引き戻された。
 返答が思いつかず 両手を掴んで身体を縮ませる。
「…………知ってるから」
 少し落ち着いてきた平助が躊躇いがちに口にすると 何を?と伺うように
 ちづるは首を傾げてみせた。それは当の彼女自身もまだ気づいていない事。 
 そして平助も内心それを認めたくなくて床に視線を落とす。
「お前に 好きな奴ができた事」
「     え?」
 好きな人? 自分が誰を好きだと言うのか。
 ちづるが訝るのを通り越して 困惑の表情を浮かべたその時―――
「(っ!? 痛っ)」 
 小針で刺したような感触が走り 咄嗟に彼女は左胸を押さえ白いシャツを鷲掴んだ。
 そこには生まれつき痣があり 最近その辺りに痛みを感じるようになった。
 今また同じにちくりとして 不可解からなのか鼓動まで早くなってくる。
「それでもオレの気持ちは消えなかったけど 何でかな…… オレにも分かんねえや」
 へへっと口先だけで笑って 平助は自分の脰を擦る。 
 とびきり美人でもなく至って普通の女の子なのに 平助は何故か"ちづる"だった。
「ごめんなさい 私が…… 」
「お前が謝らないでくれよ…… 最低な事をしたのはオレなんだから
 幾ら謝ったって許される事じゃないけど本当にごめん 怖い思いさせちまった」
 いつも隣にいた平助の眼差しが 友人のそれとは違うと感じても気のせいにして
 居心地のいい関係に甘えていた ただのずるい人間だったとちづるは自分を思い知る。
「平助くんの気持ち…… 気づかないようにしてた私が悪いの」
「オレだって一緒に居ればもしかしたらって思ったりした 告る勇気もなくて……
 挙句の果てにこんな…… ホント情けねえ」
 再び溢れ頬を伝うちづるの涙を 今度は優しい指で拭ってやる。
「こんなに好きでも お前はオレのものにならないんだな…… 」
 雫の付いたその指で自分の唇に触れ 平助は切なげに笑んだ。
「でも私 好きな人なんていな」
「なら オレと付き合ってくれるか?」
 笑みを消し 熱を籠めた厳しい瞳を向けてくる平助にちづるはまた固まる。
 明るくて優しい平助の彼女になれたら毎日楽しいだろうと思う。
 なのにちづるはどうしても『はい』と頷く事が出来ない。
「悪ぃ 冗談 でも…… 」
 瞠目している彼女をついっと避け
「さすがのオレも自分のバカさ加減に参ってる だから…… 」
 外方を向いて話す平助に 何を言われるのかとちづるは待った。
「ひとりでいる」
「え?」
 彼女にはその言葉の意味が分からなかった。
「元々彼氏でもないけどさ お前から距離を置きてえんだ」
「なん で?」
「こんなの隣にいる資格もねえし ぶっちゃけ今はつらい ハッ 小せえなオレ」
 平助が離れて行く。
 時には兄のように頼りにして 時には弟のように世話を焼いて
 笑い 励まし合い…… そんな彼がいなくなってしまう。
「そんなのやだ!」
 我儘を言っているのも気づかずに ちづるは平助のブレザーの袖を掴み叫んだ。
「あ…… ごめん 勝手過ぎるね 私」 
「いや 寧ろ嬉しいよ…… 避けられても仕方がねえのにそう言ってくれて」
 ほっとした声の平助に視線を向けると 泣きそうな微笑みがちづるの目に映る。
「こんなオレが偉そうに言える立場じゃないのは分かってる けどちづる
 自分の心ン中に誰がいるのか 怖がらねえでしっかり向き合えよな」
「それは…… 誰なの?」
 自分ですら分からない 不確かな存在の人を思っても不安しか沸いてこない。
 心なしか胸の痛みも増した気がした。
「オレの口からは言いたくねえ…… けどお前は絶対分かってる筈だから」
「それでも分からなかったら?」
「そしたら…… もう一度お前に告白させて欲しい」
 そう微笑む平助は そうなる事はないだろうと寂しさをその裏に隠した。
「ごめんな…… もうお前を守ってやれなくて」
 抱きしめたいのを我慢して 平助はその場で項垂れるちづるの頭を撫でた。
 それはとても優しくて そして悲しい感触だった。






「まさかこんな事になるとはね…… 」

「起こってしまった事をどうこう言っても仕様がないだろう」

「さすが冷静だね はじめ君」

「あんたは気にいらぬようだな その殺気は誰に向けているのだ?」

「気のせいじゃない?
 あ ちづるちゃんが出てく 平助は…… 時間ずらすみたい」

「同じクラスだからだろう」

「人ってさ 時代が変わっても同じ子を好きになるんだね 不思議」

「あいつは あのような生活を強いられた彼女を気に掛けていたからな」

「それに比べあの人ときたら…… 絶対分かってないよ」

「また 間違ったやもしれぬ…… 」

「それは大丈夫でしょ」

「何ゆえ言い切れる?」

「はじめ君がいるじゃない」

「………… 」

「キミがふたりの証になる」

「………… そろそろ俺達も教室に戻るぞ」

「ん~ 僕はコレで一服してくから お先にどうぞ」

「偶にはまともに授業を受けたらどうだ? 卒業出来なくなるぞ」

「心配してくれてありがと❤」

「総司…… 」

「ん?」

「校内に菓子の持ち込みは校則違反だ」

「ふふ ごめんね風紀委員さん



 

 …………キミはキミの役目を果たす

 ねえ はじめ君    

 僕は…… どうしたらいいんだろうね」






―【12】へ ―




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