カテゴリ

PageNavigation 2.0

Designed by 石津 花

お慕いしております(●´ω`●)

✿✿✿ ✿✿✿         ✿✿✿

リンク

ようこそ♪

プロフィール

みぃ

Author:みぃ
ブログ公開:2012/4/17

この作品に出会えて
本当に良かった。
これからもずっと変わらず
愛してます。(主に副長を♡)

QRコード

QR

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
                        web拍手 by FC2

ちぇりぃ★はぁと【10】


連載【土方 歳三/転生SSL】「桜色の君 想う」転生編
お願い:初めての方はちぇりぃ★はぁと【はじめに】を一読してください。



 何故か。
 さっき自分を襲おうとした男子生徒と良く似た…… いや
 もっと鍛えられた腕に抱きしめられているのに 嫌悪感は沸いてこない。
 寧ろそんな不可解な自分にちづるは眉を寄せた。
「(前にもこんな事…… あった?)」
 そんな筈は無い。
 3年の"沖田"と言う生徒は 在校生だけに校内で見掛けたくらいはあっただろうが
 それすらちづるの記憶に無い程 今日この時初めて会ったのだ。それなのに……
「あ あのぉ すみませんが…… 」
 いくら嫌ではないからと言って いつまでもこんな状態ではいられない。 
 一向に回した腕を緩めようともしない沖田に ちづるは遠慮気味に声を掛けた。
「ん? なぁに?」
 返事をした声があんまり優しくて 何でもないと言いそうになるのを飲み込んだ。
「そ そろそろ離してもらえませんか?」
「ははは ごめんね」
 謝りつつも沖田は笑顔を浮かべたままで 全く解放する様子を見せない。
 なのにちづるがその腕を振り解けなかったのは 傷つけようとするものと異なり
 そっと包まれているのが感じられたからだった。
 そして切ないような でも嬉しいような…… 訳も分からず泣きたくなってくる。
「(どうしてなの?)」思いながら瞳に雫が滲む。
 沖田が腕の中で微かに震えるちづるに気付く。
「今は…… もう僕の為に泣いたりしなくていいんだよ?」
「(…… ?)」初対面の人に言われたその言葉の意味は分からない。
 だが噂でしか知らなかった沖田と出会い 彼女が何処かホッとしたのは確かだった。
「(なんだろう…… 土方先生にも似たこの感じ…… )」
 学園内で恐れられている存在の沖田。
 乱暴な男子達を追い払った時の彼の笑みは 背筋も凍るかと思う冷たさが見られたが
 透き通ったその翡翠色の瞳は 今はちづるを優しく見つめるばかりだった。
 
 悪評高い沖田に抱きしめられている泣き顔のちづる。
 目の前の光景は それだけで平助に誤解を与えるに充分過ぎた。
 ちづるから届いたメールの内容を見た後だけに無理も無い。
        しりようしつたすけ
 以前ちづると一緒に訪れた場所がそこにあった。
「てめえっ 何してンだよっ!!!」
 今度は斎藤すらも抑え込めない程の勢いで平助は沖田に向かって行く。
 瞬間 沖田がちづるにしか聞こえない声で呟いた。
「ふうん 魁先生のお出ましだね♪」
 楽しそうな口調の沖田を ちづるは「(え?)」っと見上げる。
 沖田からちづるを剥がすように引き離し 後ろの壁に彼女を押し付けてから
 平助は拳にのみ全力を込めたその腕を沖田目掛けて飛ばした。
 その間もニヤニヤと余裕の沖田に 平助の怒りは増殖される。
「違うの!! 平助くん!!」
 ちづるが叫ぶも耳には入らず もう誰も止められない平助の拳が入る―――
「っ!?」
 既のところで顔の前に広げた沖田の手の平に。
 左頬を狙ったものの どうしようもない身長の差が災いしてか
 頭ひとつ高い沖田にその力は今一歩届かなかった。
「そんなに気にする事ないよ 刀ならキミも中々の腕なんだから」
 悔しがる表情を隠さない平助の手を退けながら また訳の分からない事を呟き 
「今度は…… 気をつけなね」
 沖田は立ち竦むちづるに短く助言し資料室を出て行く。 
「へ 平助くん…… ?」
 ちづるは沖田の後ろ姿を目で追うも すぐに平助へと視線を移した。
 自分に背を向ける クラスメイトの顔は分かりようもなかったが
 だらりと落とされた腕の先に在る 握り締められた手が小さく震えて見えた。
「あの…… 来てくれてありがとう 
 此処を分かってくれるの平助くんだけだったから…… 迷惑掛けてごめんなさい
 今出てった沖田さんて言う先輩が危ない所を助けてくれたの 私がうっかり…… 」
 説明が終わる前に平助が振り向いたので ちづるは安堵して
 続きを話そうとしたその唇に 何かが覆っている事に気付かなかった。
「(え…… ?)」すぐ目の前に見慣れた顔があった。
 でも今日はいつもと違う 怖いくらい光る深緑の瞳。
 それは断りも無く――――――
「っんん!? っや!」
 胸を押し退けようとする小さな手が 却って平助を高ぶらせる。
 ちづるの両腕を有りったけの力で掴み 資料室の壁に背中を押し付け
 逃げる隙を与えたりしてはやらなかった。
 息もつけさせず 窒息させるのかと思う程の身勝手なキス。
 慣れているとはとても思えないぎこちなさで ガチガチとした音が口の中で響く。
 優しさなど微塵も感じられない ただ闇雲に合わせるだけの唇。
 それでも平助は これでちづるが自分のものになるような気がして何度も求めた。 
 例え彼女からの答えが…… 拒否であっても。
「(ちづるっ  ちづるちづる ちづる…… )」
 心の中で一番愛おしい名前を繰り返す。
 この気持ちに気付いて欲しくて 逃げる柔らかな桜色の唇をその都度塞いだ。
 それまで大事にし過ぎていた分 触れた事で知ってしまった甘美な感触は
 平助には衝撃的過ぎて 自分自身を抑える事が出来なかった。



 どのくらいそうしていたのか。
 平助は口の中で感じていた鹹味に漸く気付いて目を開けた。
 そこには脆い抵抗を止めたちづるが 虚ろな瞳で自分を見ていた。
 その涙だけが 彼女の唯一の反撃のように流れるのを止めなかった。




―【11】へ ―



関連記事
                        web拍手 by FC2

<< 甘いお裾分け | ホーム | おひとり様 おひとつでお願いします。 >>


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。